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給料ファクタリングはなぜ危険?おすすめしない理由と違法性をわかりやすく解説

給料ファクタリング ファクタリング

給料ファクタリングをお勧めしない理由。その危険性と違法性

「給料日前でお金が足りない」
「カードローンの審査に通らない」
「今すぐ現金が必要」

そんな切羽詰まった状況の人に向けて、かつてインターネットやSNSなどで広がったのが給料ファクタリングです。

一見すると、「借金ではない」「給料を前払いしてもらうだけ」「ブラックでも利用できる」といった便利そうなサービスに見えるかもしれません。けれども、結論から言えば、給料ファクタリングはおすすめできません。むしろ、絶対に安易に手を出してはいけない危険な取引です。

金融庁は、個人の賃金債権を買い取って金銭を交付し、その個人を通じて資金を回収する給与ファクタリングについて、貸金業に該当すると説明しています。貸金業登録を受けずに行う業者は、いわゆるヤミ金融業者にあたる可能性があります。

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給料ファクタリングとは何か?

給料ファクタリングとは、簡単に言うと、会社員などが将来受け取る予定の給料を「債権」として業者に買い取ってもらい、給料日前に現金を受け取る仕組みです。

たとえば、次のような形です。

「給料日に10万円受け取る予定がある」
「その給料債権を業者に売る」
「業者から手数料を差し引いた7万円や8万円を先に受け取る」
「給料日に利用者が業者へ10万円を支払う」

表向きは「給料の買い取り」です。
しかし、実態を見ると、給料日前にお金を受け取り、給料日に手数料込みで返すという構造です。

つまり、見た目はファクタリングでも、利用者側から見れば、ほとんど「給料を担保にした借金」のようなものです。国民生活センターも、給与ファクタリングについて「ファクタリングと称していても借金と同じ」と注意喚起しています。

お勧めしない理由1:実質的には高金利の借金になりやすい

給料ファクタリングの一番怖いところは、手数料が非常に高くなりやすいことです。

業者は「利息ではありません。手数料です」と説明することがあります。
しかし、利用者から見れば、受け取った金額よりも多い金額を短期間で返すわけです。

たとえば、給料日前に7万円を受け取り、給料日に10万円を支払うとします。
この場合、差額の3万円が実質的なコストです。

たった数週間で3万円の負担。
これを年率に換算すると、とんでもない高金利になることがあります。

国民生活センターは、給与ファクタリングでは年率換算で数百パーセントもの高額な手数料を請求されるケースがあると注意喚起しています。

怖いのは、利用者本人が「少し手数料が高いだけ」と思ってしまいやすいことです。

でも、実際には違います。
給料日前の数日から数週間だけお金を借りるような形で、数万円単位の手数料を取られるなら、それは生活を助けるどころか、次の給料日をさらに苦しくするだけです。

お勧めしない理由2:給料日に生活費が残らなくなる

給料ファクタリングを使うと、給料日にまとまったお金を業者へ支払うことになります。

すると、どうなるか。

本来なら家賃、食費、光熱費、通信費、保険料、返済などに使うはずだった給料が、先に業者へ消えてしまいます。

つまり、給料日前のピンチを一時的にしのいだとしても、次の給料日にまたお金が足りなくなるのです。

これが一番危ない流れです。

1回使う。
給料日にお金が残らない。
また給料日前に足りなくなる。
また利用する。
手数料が積み重なる。
生活がさらに苦しくなる。

このように、給料ファクタリングは一時しのぎに見えて、実は資金繰りを悪化させる可能性が高いのです。

消費者庁も、貸金業登録を受けていないヤミ金融業者を利用すると、高額な手数料や悪質な取立て、本来受け取る給与より少ない金額しか受け取れないことによる生活破綻のおそれがあると注意喚起しています。

お勧めしない理由3:「借金ではない」という言葉に惑わされやすい

給料ファクタリング業者の宣伝では、よく次のような言葉が使われます。

「借金ではありません」
「信用情報に影響しません」
「ブラックOK」
「即日入金」
「審査なし」
「給料を買い取るだけ」

お金に困っているとき、このような言葉はとても魅力的に見えます。

特に、過去にカードローンやクレジットカードの審査で落ちた経験がある人にとって、「ブラックOK」「借金ではない」という言葉は救いのように感じるかもしれません。

でも、ここが落とし穴です。

金融庁は、「借金ではありません」「ブラックOK」などの誘い文句に注意するよう呼びかけています。給与の買取りをうたう取引でも、業として個人の賃金債権を買い取り、その個人を通じて資金を回収するものは貸金業に該当するとされています。

つまり、業者がどれだけ「これは借金ではない」と説明しても、実態が貸付けなら、法律上は貸金業の問題になるのです。

言葉のマジックにだまされてはいけません。
大事なのは名称ではなく、中身です。

お勧めしない理由4:最高裁も「貸付け」にあたると判断している

給料ファクタリングの違法性を考えるうえで、非常に重要なのが最高裁の判断です。

金融庁は、最高裁令和5年2月20日第三小法廷決定の抜粋として、給料ファクタリングについて、形式的には債権譲渡の対価として金銭が交付されていたとしても、実質的には顧客との二者間における返済合意がある金銭の交付と同様の機能を持つため、貸金業法および出資法上の「貸付け」にあたると紹介しています。

これはとても大きなポイントです。

つまり、契約書の名前が「債権譲渡契約」でも、サービス名が「ファクタリング」でも、実態としてお金を渡して後から回収する仕組みであれば、貸付けと判断される可能性があるということです。

そして、貸金業を営むには登録が必要です。
登録を受けずに貸金業を営むことは違法です。

だからこそ、給料ファクタリングは「グレーな資金調達」ではなく、違法なヤミ金融につながる危険な取引として考えるべきなのです。

お勧めしない理由5:勤務先や家族に知られるリスクがある

給料ファクタリングの恐ろしさは、お金の負担だけではありません。

業者によっては、申し込み時に勤務先、家族、緊急連絡先などの情報を求めることがあります。

そして返済が遅れると、勤務先や家族へ連絡されるリスクがあります。

国民生活センターは、給与ファクタリングに関して、勤務先や家族への強引な取り立てが発生していると注意喚起しています。

これは利用者にとって非常に深刻です。

会社に知られれば、信用問題になるかもしれません。
家族に知られれば、人間関係にひびが入るかもしれません。
精神的に追い詰められ、仕事にも生活にも悪影響が出る可能性があります。

「給料日前に少しだけ現金が欲しい」
その軽い気持ちが、職場や家庭を巻き込むトラブルに発展することがあるのです。

お勧めしない理由6:一度使うと抜け出しにくい

給料ファクタリングは、仕組み上、繰り返し利用に陥りやすい取引です。

なぜなら、給料日に業者へ支払うと、その月の生活費が足りなくなるからです。

すると、また次の給料日前に資金不足になります。
そこで再び給料ファクタリングを使ってしまう。

この流れは、まるで穴の空いたバケツに水を入れ続けるようなものです。

一時的に現金は入ります。
でも、給料日にもっと大きく出ていきます。

その結果、毎月の給料が「生活のためのお金」ではなく、「業者への支払いのためのお金」になってしまうのです。

これでは、働いているのにお金が残りません。

給料ファクタリングと通常のファクタリングは違う

ここで注意したいのは、すべてのファクタリングが違法というわけではないことです。

一般的な事業者向けファクタリングは、企業や個人事業主が売掛金を早期に現金化する資金調達手段として利用されることがあります。

しかし、給料ファクタリングは個人の賃金債権を対象にしている点が大きく異なります。

賃金には、労働者本人に直接支払われるべきという考え方があります。金融庁が紹介している最高裁決定でも、労働基準法24条1項の趣旨から、賃金債権を譲り受けた業者が使用者に直接支払いを求めることは許されず、実際には顧客から資金を回収するほかなかった点が重視されています。

つまり、給料ファクタリングは「売掛金を買い取る通常のファクタリング」と同じように考えてはいけません。

名前は似ていても、中身はかなり違います。

給料ファクタリングを使う前に考えるべきこと

給料ファクタリングを検討している人は、おそらく本当にお金に困っているはずです。

だからこそ、責める話ではありません。
問題は、困っている人に対して「借金ではない」「すぐ現金化できる」と甘い言葉で近づく業者のほうです。

ただし、利用してしまう前に、まず次のような選択肢を検討してください。

生活費に困っている場合は、市区町村の社会福祉協議会や公的な支援制度に相談する方法があります。厚生労働省は、生活福祉資金貸付制度について、まず住んでいる地域の社会福祉協議会に相談するよう案内しています。

借金の返済が苦しい場合は、金融庁の多重債務相談窓口や、法テラスなどの法律相談を利用する方法もあります。金融庁は多重債務についての相談窓口を案内しており、法テラスでは経済的に困っている人を対象に無料法律相談を行っています。

ヤミ金や悪質業者に関わってしまった場合は、消費生活センター、警察相談専用電話、金融庁金融サービス利用者相談室などに相談することも大切です。政府広報オンラインも、不審に思った場合の相談先として警察相談専用電話「#9110」や消費生活センター「188」などを案内しています。

おわりに~給料ファクタリングは「便利な前借り」ではなく危険な取引

給料ファクタリングは、一見すると便利な資金調達に見えます。

しかし実態は、
高額な手数料を取られる
給料日に生活費が残らなくなる
勤務先や家族に連絡されるリスクがある
繰り返し利用で生活が破綻しやすい
無登録業者による違法な貸付けに巻き込まれる可能性がある

という、非常に危険な取引です。

特に重要なのは、最高裁が給料ファクタリングについて、実質的に貸付けにあたると判断している点です。名称が「ファクタリング」でも、「債権買取」でも、中身が貸付けなら、貸金業法や出資法の問題になります。

お金に困っているときほど、「すぐに現金」「ブラックOK」「借金ではない」という言葉は魅力的に見えます。

でも、そこで一歩立ち止まってください。

給料ファクタリングは、今月のピンチを救うどころか、来月以降の生活をもっと苦しくする可能性があります。

本当に困ったときは、危険な業者に頼るのではなく、自治体、社会福祉協議会、消費生活センター、法テラス、金融庁の相談窓口など、正規の相談先につながることが大切です。

給料ファクタリングは、使わない。
怪しい広告には近づかない。
困ったら、まず公的な窓口や専門家に相談する。

これが、自分の生活と信用を守るための一番安全な選択です。

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